板橋区長候補 南雲由子板橋区長候補 南雲由子

2017年09月22日

【本会議で提案・質問しました】

今日は本会議の一般質問で登壇させていただきました。
自分の生活と仕事と、区民の方からのご意見をぎゅーっと凝縮して20分。
前向きな答弁も頂けたので、引き続き、実現に向け取り組んでいきます。
議事録の公開まで少しかかりますが、以下質問の文章です↓
ご興味のある部分だけでも読んで頂けたら幸いです。
ちなみに、今日は子どものハーフバースデー!
いつもありがとう。君が体を張って体験してくれたことは、余すところなく区議会での提案になっています。
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1.乳児ショートステイ事業と乳児院から
1)乳児ショートステイ事業について
2)子ども家庭総合支援センター(児童相談所)と関連施設について
3)医療的ケア児について
2.地域猫とTNR助成について
(計20分)
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<乳児ショートステイと乳児院から>
通告に従い、市民クラブの一般質問をさせていただきます。
はじめに、「乳児ショートステイと乳児院から」質問します。
7月、8月に、会派の視察で函館市へ、健康福祉委員会の視察で八戸市と仙台市へ伺いました。先進都市での取り組みを拝見し、大変勉強になりましたが、子育てをしながら仕事をしているため、一泊の出張で0歳の子どもをどうするか困っていたところ、板橋区の「乳児ショートステイ」という事業を知り、利用させて頂きました。
「乳児ショートステイ」とは、
平成28年度から行われている事業で、一時的に子どもを預けたい時に子ども家庭支援センターで申し込み、中野区上鷺宮にある「聖オディリアホーム乳児院」という施設に、0歳から2歳までの子どもを預かってもらえるというものです。
「聖オディリアホーム乳児院」は、様々な事情で家庭で育てるのが難しい、0歳から4歳までの子どもが生活する施設です。住宅街の中にある明るい2階建の、木の建物で、60名の子どもが長期入所で生活しています。
そして長期入所とは別室で、中野区、練馬区、板橋区の3区から、一日各2名ずつのショートステイを行なっており、このほか病児保育と、地域の親子に解放するスペースもあります。
今回、「乳児ショートステイ」事業を利用すると共に、長期入所の子どもたちが生活する様子も見学させて頂き、これから板橋区に作られる予定の児童相談所とそこに付随する一時保護と社会的養護がどうあるべきかについても考えさせられる機会となりました。
また自分自身のこの体験をSNSで発信したところ、障がいのあるお子さんを持つ親御さんからご意見も頂きました。
そこで、「乳児ショートステイ」事業で乳児院に伺った体験から、いくつかのテーマに渡って質問します。
《1)「乳児ショートステイ」事業について》
はじめに、「乳児ショートステイ」事業について伺います
実際に利用させて頂き、
場所が区内ではなくアクセスが悪いという点はあるものの、施設も明るくきれいで、保育士さんや看護師さんなど専門家が付いてくださるので、安心して預けることが出来ました。
利用料は1日2500円、一泊でも4000円、日帰り1500円で、生活保護受給世帯などには減免もあります。
特に使いやすいと感じた点は、
子どもを預ける際、着替えやミルクなども施設のものを利用させていただけるため、手ぶらで預けられる点です。
また一泊での利用や保育園が休みの土日も預けることができ、
預ける理由も冠婚葬祭や仕事、別の兄弟の世話など、それぞれの事情で利用できます。
子育てにどうしても疲れてしまった場合や、
特にひとり親世帯などでも利用できる大変良い事業だと感じました。
しかし、まだ多くの区民には、この事業があること自体が知られていないのではないでしょうか。
もしものときに「ある」ということを知っているだけでも、子育ての安心につながります。
そこで伺います。
○ 現在、周知はどのように行われているのか?
また、もっと広く効果的に周知すべきと考えますが、今後どのように行うか、伺います。
また現在、板橋区の「乳児ショートステイ」事業は、年間14日間までの利用と決められています。
しかし、同じ施設を利用している中野区では年間50日まで、練馬区では年間72日、月6日まで利用できます。
練馬区のように月6日利用できるなら、緊急の場合だけでなく、日常的なサポートとして利用することも可能で、利用者からは日数を増やして欲しいという声があるとも伺いました。
核家族化が進み、もしものときに頼れる相手がいない、孤立した状況での子育てが問題になっています。
区民意識意向調査でも、「子育て・教育施策で重点的に力を入れるべき施策」では、「保育施設の整備」に次いで「乳幼児の子育て支援の充実」を31.5%の区民が上げています。
○そこで、板橋区でも年間で利用できる日数を増やすべきと考えますが、区長の見解を伺います。
《2)「子ども家庭総合支援センター」(児童相談所)と関連施設について》
次に、「子ども家庭総合支援センター」(児童相談所)と関連施設について伺います。
板橋区では平成33年に、仮称「子ども家庭総合支援センター」(児童相談所)を設置予定です。
設置した場合、相談の結果、母子が離れて暮らした方が良いケースの子どもの一時保護施設や、里親など社会的擁護とのマッチングも必要になります。
今回、乳児院の施設を拝見しましたが、その生活の様子は、
0歳から4歳まで60名が縦割りのグループで4、5名ずつ同室で兄弟のように暮しています。
洋服は、担当の保育士さんがその子に合わせた服を買って用意し、ごはんは、施設内の調理室で栄養士、調理師など10名ほどのスタッフが準備します。
施設内には、親子が家庭に戻るため時間をかけて交流を重ねる面会室や、里親制度で引き取られる子どもと里親が一緒にいる練習をする、ワンルームマンションに見立てた部屋などもあり、かなり広いスペースです。
○そこで伺います。
児童相談所を設置した場合、必要な一時保護施設や社会的養護施設はどのようにする予定か、区の方針を伺います。
また、家庭に戻ることが難しいケースでは、その後子どもが育っていく里親家庭やファミリーホームなど社会的擁護とのマッチングも必要です。
先日、里親や養子受け入れを実際にしている方々や社会的養護で育った当事者の方の会に参加させて頂きました。
日本では、これまで諸外国に比べ里親制度が定着しておらず、社会的養護の子の多くが施設で生活してきたそうです。
しかし子どもには家庭的環境で暮らすことがよいとも言われ、国は今年7月、方針を大きく転換する「新しい社会的養育ビジョン」を発表しました。施設ではなく家庭で養育する里親への委託率を、現在の2割未満から目標75%に大幅アップするものです。
里親制度への理解を広め、民間で数を増やすことが必要ですが、里親制度を運営するのは児童相談所です。
そこで伺います。
○里親制度について、区がどのように取り組むのか、現在の区の取り組みと今後の方針を伺います。
また人材確保も必要です。
「聖オディリアホーム乳児院」では長期入所60名に対し、93名の職員が働いています。
そのうち多くは、看護師・保育士等57名、栄養士6名、心理士2名、作業療法士、家庭支援専門相談員などの専門職です。
またそれとは別にショートステイ事業、病児保育など事業それぞれに法定人数の保育士、看護師などを確保するそうです。
施設の方にお話を伺った際、様々な専門的スタッフを常時確保することに、最もコストと苦労があると話されていました。
国も、厚生労働省が今年4月「児童相談所強化プラン」を示しましたが、児童相談所だけでも人材確保が課題になる中で、関連施設でも多くの人材が必要になります。
そこで伺います。
○児童相談所設置と関連施設の設置に伴って、専門職の人材確保にはどのように取り組むか、区の方針を伺います。
《3)医療的ケア児について》
最後に、医療的ケア児について伺います。
「乳児ショートステイ」を利用したことをSNSで発信したところ、障がいのある子を持つ親御さんからコメントを頂きました。
健康な子の場合、乳児ショートステイ事業など預かり先があるが、重度心身障害児や医療的ケアが必要な子どもの場合、一泊預けられるショートステイはもちろん、日中一時預かりの場もない。その結果、365日全く休憩が取れない環境に置かれる母子がいることを知ってほしい、という内容でした。
医療技術の進歩によって、NICU等に長期入院した後、たんの吸引、人工呼吸器など医療的ケアを受けながら生活する子どもの数は、増加傾向にあります。
区内でも、障がい者福祉課の調査によれば、小学校1年生から高校三年生までの、医療的ケアが必要な子どもの実数は、H28年度11月現在で65名、ここから試算すると0歳から20歳までで約100名ほどです。
健康な場合でも、乳幼児が家にいると、子どもを置いてちょっと買い物に行くこともできず、隙間がない、休憩がない、と感じることがあります。
それが、医療的ケアが必要な子どもの場合、
例えば家族は2時間おきの器官吸引などをしなければならない上、預ける先がないために、休息が取れない、子供を預けて働けない、医療的ケアが必要な子どもにかかりきりになって、他のきょうだいと触れ合う時間が過ごせない、といった状況になるそうです。
また、健康な子どもでも孤立した子育てで虐待してしまうケースがある中で、医療的ケア児の親の不安と疲れは計り知れないもので、逃げ場がないために虐待などにつながってしまう危険性もあります。
そこで伺います。
○まずは現状で、障害児の預け先としてどのようなものがあるのか。障害の程度によって受け入れが異なると思いますが、障害が軽度から中程度の場合と、重症心身障害児や医療的ケア児の、一時預かりとショートステイそれぞれの現状を伺います。
板橋区では、H28年度から保育サービス課で、「居宅訪問型保育事業」がスタートしました。
この事業は、主に肢体不自由児、知的障害児、重度心身障害児等で、一部の子どもを除き、集団保育が難しい子どもを訪問して一対一で保育を行う事業です。
たんの吸引、経管栄養など医療的ケアの種類によっては、医療的ケアを必要とする子どもでも1〜2歳児が利用できると伺いました。
○そこで伺います。
この「居宅訪問型保育事業」の利用状況はどのようなものでしょうか?
この事業は、保育園の代わりになるもので、障害の種類によって、利用できる場合とできない場合があるかと思いますが、まずは最初の大きな一歩です。
この事業をさらに充実させながら、親の休息・レスパイトも必要です。
数時間預けることで兄弟の保護者会に参加する、親が休息するなど、一時的に利用できるものとして、
また、これでは利用できない気管切開や人工呼吸器などの医療的ケアが必要な子どもに向けて、「訪問型レスパイト」事業も必要だと考えます。
この「訪問型レスパイト」は23区中16区で実施されている中で、板橋区では実施されていません。
板橋区は、「東京で一番住みたくなるまち」を掲げています。
また小茂根に国の「心身障害児総合医療センター」があるため、障害のある子どもを持ったことで板橋区に引っ越してくる方も多いと聞きます。
そこで伺います。
○「居宅訪問型保育事業」だけでなく、板橋区で「訪問型レスパイト」事業の早急な整備が必要であると考えます。区の見解を伺います。
先日、小茂根にある「心身障害児総合医療センター」へ五十嵐議員と視察に伺い、吸引も体験させて頂きました。こちらでは、医療的ケア児のショートステイ事業を行なっていますが、区の施設ではなく、板橋区民優先でもありません。
現在10ベッドのショートステイ受け入れがあり、倍率は2倍程度とのことで、区内の利用者に限定した場合、具体的には、まずは追加で5ベッド、ショートステイの受け入れ先を作れば…とのことでした。
まずは5ベッドです。
板橋区は、全国でもトップクラスに病院が多い地域です。
小茂根のセンターやデイケアなどの民間の資源も区内にあります。
そこで伺います。
○医療機関等、民間とも連携して、医療的ケアが必要な子どもの預かり先を確保すべきと考えますが、区の見解を伺います。
以上で、この項目についての質問を終わります。
ーーー
<地域猫とTNR助成について>
次に、地域猫とTNR助成について伺います。
先日、野良猫を減らすためボランティアで活動をされている区民の方からご相談を頂き、TNR活動についてお話を伺いました。
TNRとは、
T:トラップ、
N:ニューター、
R:リターンの頭文字を取った言葉です。
つまり、捕獲器等で猫を保護し、不妊去勢手術をした後、元の場所に戻すという一連の活動で、飼い主のいない猫や殺処分の減少に最も有効な手立てと言われています。
猫の好きな方にとっても苦手な方にとっても、野良猫の数を減らすこと、これ以上増やさないことが重要です。
◯そこで伺います。
板橋区では、野良猫を減らすためにどのような取り組みをされているか現状を伺います。
同じことが問題になっている23区内で、区によって取り組み方は様々で、先進的な区では効果が出ています。
先進事例として評価される千代田区では、
平成12年度から飼い主のいない猫の不妊去勢手術の助成を3年の時限付きでスタートしましたが、成果を上げるには息の長い取り組みが必要であると判断して
助成を続け、平成23年に「猫の殺処分ゼロ」を達成しました。
その後も市民ボランティアと協力して、現在まで殺処分ゼロの成果を出し続けています。
また練馬区でも、飼い主のいない猫を「地域の環境問題」と捉え、平成19年度から市民の登録ボランティア増加に取り組んでいます。
平成26年12月現在で登録ボランティアは、43グループ130名以上となり、その数は年々増加しているそうです。
練馬区で活動するNPO「ねりまねこ」では、TNR活動を年間100匹、累計800匹行っていますが、その成果として平成22年に722匹だった野良猫の数は、平成28年には389匹と、成果が表れています。
先進区の事例を見てみると、成果を上げている背景には、
一点目に政策に対する区の本気度、
二点目に市民ボランティアとの連携があるように感じます。
猫は繁殖力が強く、野良猫の数の減少には長い時間がかかりますが、
いつか本気で始めなければいつまでも成果は表れません。
そこで、
○板橋区のTNR活動の効果についての認識を改めて伺います。
TNRを進めていくためには、ボランティアの方との連携が重要で、区内にもボランティアで活動されている方がいます。
しかし、その活動のハードルになっているのが不妊去勢手術の費用です。
板橋区では、猫の不妊去勢に対し、
オスで2000円、メスで4000円の助成を行っています。
しかし、区内で実際にボランティア活動をされている方にお話を伺うと、
その助成を使い、比較的安い動物病院を利用しても自己負担は、一匹あたりメスで約5500円、オスで約3500円です。
今年に入ってから今日まで25頭のTNRを行なっているそうで、全てメスで試算すると、今年だけで13万7500円を自己負担したことになります。
23区で比較をしてみると、
多くの区が5000円程度の助成をしており、前述の千代田区では、オスで17000円、メスでは20000円です。
ボランティアの方がTNRをしやすくするのが助成の目的ならば、板橋区でも助成額を上げるべきと考えます。
一時的に財政負担があっても、将来的には野良猫の数が減り、助成全体の額は減っていくことにもなります。
また板橋区では、飼い主がいる/いないに関わらず対象を「区民に飼育または管理されている猫」としていますが、多くの区が対象を「飼い主がいない猫」に限定していて、飼い主がいる猫にも助成を出しているのは、23区中、板橋区のほか、港区、足立区の3区のみです。
先日板橋区内の実際の利用状況を伺ったところ、
助成の利用実績は平成28年度で年間1260匹で、
そのうち飼い主がいない猫が704匹、飼い主がいる猫が556匹となっています。
実際の利用状況をみると、今後の議論が必要ですが、例えば他区のように、対象を飼い主がいない猫に限定することで、予算の総額は上げずにボランティアへの助成額を上げるといったことも可能ではないでしょうか?
そこで伺います。
◯猫の不妊去勢手術の助成額を上げるべきと考えますが、区の見解を伺います。
以上で、私の一般質問を終わります。