板橋区長候補 南雲由子板橋区長候補 南雲由子

2020年11月28日

【一般質問で区長に提案しました!】
昨日、本会議の一般質問で登壇しました。
6年間で区議会の中でも一般質問回数は多い方なのですが毎回すごく緊張し、練習より早くなり反省…
1.障がいがあってもなくても、のびのび育つ板橋へ
(1)インクルーシブ公園について
(2)インクルーシブな保育・教育
(3)来年春に向けて策定中の障がい者計画でどう位置付けられているか
について、区長や教育長が目指す方向を質問し、今後に向けて前向きな言葉を確認できました。
2.昨年の台風19号で感じた荒川氾濫への備えへ
土木の観点から見る防災と流域防災について
について、視察や勉強会でインプットしたことから、少し変わった角度から防災について提案しました。
↓以下、長文ですが質問原稿です。
気になるところだけ見て頂けたら幸いです。
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1.障がいがあってもなくても、のびのび育つ板橋へ
(1)インクルーシブ公園について
通告に従いまして、市民クラブの一般質問をします。
 新型コロナ感染拡大と今後の区財政が心配な局面ですが、ここ数ヶ月、私のもとには特に、孤立した子育て家庭からのご相談が数多くあります。
 コロナで地域での孤立や孤独が深まることは深刻な社会課題です。
 その中で今日は、障がいがあってもなくても、のびのび育つ板橋へ。インクルーシブな子育て環境について質問をします。
 社会変革が激しい今こそ、障がいの有無に関わらず社会で支えるこれからの子育て環境を目指す視点を持ち、それを共有することが必要です。
 以前、障がいを持つ子どものお母さんが、
子どもとの生活の中で、自分と子どもが世の中から見えていない、透明な存在のように感じた、と話していたことがあります。子どもを公園に連れて行って遊ぶ、保育園や幼稚園、学校で友だちと学ぶ、といった「当たり前」のことを障がいが理由で出来ず、孤立が深まってしまう現状が、まだ板橋区の中でもあります。
 また、これからの子どもたちは、インターネットやSNSの影響もあり、分断が生まれやすい社会を生き抜いていかなければなりません。
 多様性、と言葉で言うことは簡単ですが、自分と違う相手を理解することは、大人にとっても簡単なことではありません。むしろ、子どもの柔らかな頭と感性のほうが、柔軟に素直に向き合えるのではないでしょうか。
 家庭の格差に関わらず機会を得られる公教育や公共の場で、子どもの頃から、自分とは違う相手と当たり前に接し、対話し、互いに理解しあいながら育つ板橋区であってほしいと思います。
 課題は様々あるかと思いますが、区や教育委員会の目指す方向性をお伺いするとともに、選択肢を増やすという視点で、また
小さくても出来るところからゼロをイチにすることが重要と考え、以下、質問させて頂きます。
 はじめに、インクルーシブ公園についてです。
 今、障がいがあってもなくても遊ぶことができるインクルーシブ公園が都内で整備され、話題になっています。
 先日オンライン勉強会で、インクルーシブ公園を提唱し、政策コンテスト・マニフェスト大賞も受賞した龍園あいり都議と、市民団体みーんなの公園プロジェクト、一般社団法人TOKYO PLAYのお話を伺いました。
 また、先日、都内第一号の世田谷の砧公園に出来た「みんなの広場」と、池袋サンシャインの裏手にできた防災公園「IKE SUN PARK」の中にある「キッズパーク」に、子どもを連れて伺いました。
 実際に2つの公園に行ってみて、インクルーシブとは何か、逆にわからなくなった面もあります。
 2つの公園はどちらも、柵で囲まれていて、子ども向けの、障がいがあってもなくても遊べる遊具が置かれています。
 一方、砧公園の「みんなの広場」の周辺は、原っぱになっていて、休日のその日は大人も子どももゴロゴロ寝転んだり、シートを敷いてお弁当を広げたり、自由に過ごしていました。
 何もない原っぱがそうであるように、そもそも公園はすべての人にとって、自由でインクルーシブであるはずです。
 私は最終的には、柵もなく、障がいがあってもなくても当たり前に自由に過ごせる公園が目指すべき未来だと考えます。
 しかし、今、障がいがあってもなくても遊べるインクルーシブ公園を設置することで、
公園に行くことをためらってしまう障がい児と家族が、公園に行くきっかけになる。またそれをきっかけに、障がいがない人にとっても、子ども同士が一緒に遊び理解し合うきっかけになる。
 そこがインクルーシブ公園を設置する意義だと思い至りました。
 砧公園の「みんなの広場」は、柵で囲まれた足元が、柔らかいゴム素材と舗装された小道になっていて、車椅子でも入りやすくなっています。
 大型の複合遊具がいくつか並んでいて、幅広のスロープ付きで、すべり台のてっぺんまで登ることが出来たり、いろいろな種類のブランコがあったり、車椅子でも通れる迷路や子どもが乗って回転する遊具があります。
 「みんなの広場」で私も3歳の息子と遊んでいて、ほかの子どもがいつの間にか一人増え、二人増え、最後はみんなで遊びました。幅の広い大きな遊具は、ほかの子と遊ぶきっかけにもなります。
 池袋「IKE SUN PARK」にあるキッズパークは、板橋区にも縁の深い水戸岡鋭治氏のデザインによる、未就学児を対象にした公園です。柵で囲われた中は、鮮やかな赤の遊具が印象的な空間で、中央にミニSLが走っています。
 そして、二人で乗れるブランコや、車椅子で遊べる、腰の高さまであるプランター状の砂場、大人が子どもを膝の間に挟んで滑れる幅広のすべり台など、配慮された遊具が並んでいます。
 視察で区の担当者にお話を伺うと、障がいがあっても遊べる、という観点では、予算や広さとの関係で、全てが要望通りではないそうですが、地元の障がい児に関わるNPOと構想段階から話し合いを重ね、インクルーシブの視点を取り入れたことは高く評価できます。
そこで伺います。
Q.インクルーシブ公園についての、区長のお考えを伺います。
 区内で障がいがある子どもを持つ保護者の方々にお話を伺ったところ、公園に遊びに行けるかどうかは、トイレも重要なポイントになるそうです。
 ある当事者のお母さんは、12月8日にグランドオープンする、子ども動物園について
大人もおむつ替えができるシートがあると聞いて、とても安心していました。
 先の勉強会の中でも、インクルーシブな公園とは、障がいでも遊べる遊具を置けばよいというものでもなく、また障がい児用の公園でもない。総合的に見て、障がいがあってもなくても遊べる公園であり、それをきっかけに、子ども同士や地域との理解が深まる
というお話が印象的でした。
 東京都ではこの動きを都内全域に広げるためインクルーシブ公園のガイドラインを現在策定中と伺いました。また各自治体での設置を後押しするために補助金の設置も検討中とも伺います。
 そうした動きを注視しながら、板橋区でも
総合的に見てインクルーシブな視点を持った公園の実現へ具体的な設置場所の検討を含め、進めるべきではないでしょうか?
 豊島区での例がそうであったように、最初から完璧ではなくてもインクルーシブの視点をもった公園をまずはゼロをイチにすること、小さくてもできることから始める
ことが重要であると考えます。
そこで、伺います。
Q.本区でもインクルーシブ公園の設置へ検討を進めるべきと考えますが、現状と今後の方針を伺います。
(2)インクルーシブな保育と教育
 続けて、インクルーシブな保育と教育を求めて伺います。
 来年度4月から、区内2カ所の区立保育園で、医療的ケア児受け入れの枠を設けられたことには心から感謝するとともに、今後区民の方のニーズとともに制度が育ち、根付いていていくことを願っています。
 また文教児童委員会で陳情の議論もされましたが、障がいがあっても、保育園や幼稚園で、集団生活の中に子どもを通わせたいと望む声があります。
 障がいの特性によっては、より専門的なケアを受けることを望む方もいて、児童発達支援施設があります。
 しかし、健常児と同じインクルーシブな環境の中で育てたいと望む場合、保育園の要支援児枠で待機児がいる現状や、幼稚園に電話で問い合わせて断られ、心が折れる現実があると、当事者の保護者の方々から伺います。
そこでまず、区の大きな方針を伺います。
Q.様々な課題はあるかと思いますが、区として、未就学児について、障がいがあってもなくても同じ環境で育つことを整備していく方針か。区長のお考えをお聞かせください。
 小中学校でも同じく、専門的なケアが受けられる特別支援学校で学びたいと望む子どもがいる一方で、健常児と同じ環境で学校に通いたいと望む子もいます。
そこで伺います。
Q.区教育委員会として、障がいがあってもなくても同じ環境で学ぶことを目指しているか。インクルーシブ教育に関する区教育委員会の方針を伺います。
 障がいの有無に関わらず、全ての子どもがのびのびと学べる環境を整備することが必要です。その上で、それぞれが自分にあった環境を選ぶ選択肢も広げるべきではないでしょうか?
 近年、文京区や目黒区、北区では知的障がいがない発達障がい児のための「情緒学級」を設置する動きがあります。
 板橋区には、現状では、ステップアップ教室があります。私も何度か視察に伺いましたが、週2時間、個別学習やコミュニケーションの授業を受けることが出来ます。
 一方で、ステップアップ教室で授業を週2時間以上受けることは現状では出来ず、それを求める声もあると伺います。
 先進区である文京区では、小学校で2校、情緒学級を設置していましたが、児童が増加傾向にあり、来年4月から中学校にも設置予定です。
 目黒区では、中学校に情緒学級を設置していましたが、来年4月から小学校にも新設するそうです。
 北区では、令和2年に小学校1校に設置し、来年4月から中学校1校に設置します。
 各区で情緒学級を今設置する背景には、知的障がいがない発達障がい児のニーズの増加があり、本区でも検討すべきではないでしょうか。
そこで伺います。
Q.情緒学級を設置するメリットを、区教育委員会としてどう捉えているか、お聞かせください。
また続けて、
Q.情緒学級を設置する場合の課題を伺います。
(3)障がい者計画等について
 次に、障がい者計画等について伺います。
 現在、区では来年4月からの更新に向けて、第6期板橋区障がい福祉計画、第2期障がい児福祉計画と、今回から新たに「障がい者計画」を策定中です。
 障がい児福祉計画は、ゼロから立ち上げた前回の計画と比べ、医療的ケア児など多様な対象に目配りがされている点や、より具体的に区の課題や方向性を示している点では評価できると考えます。
 また、今回から地域保健福祉計画から取り出して障がい者計画が策定されると伺いました。
 板橋区は、小茂根の心身障害児総合医療療育センターや、病院など民間の資源が多いのに、子どもから親亡き後まで一生涯を通じた支援としては切れ目があり、充分とは言えません。
 障がい者計画を機に区として鳥の目で現場の需要と供給を把握し、施策を進めて頂きたいと期待します。
 区内に点在する資源を面的につないぐ地域包括ケアの考え方で板橋区が、障がいがあってもなくても、誰にとっても暮らしやすい地域であってほしいと思います。
 そこでインクルーシブに関して、区の大きな方針を伺います。
Q.障がいがあっても地域で育つ環境を整備していく必要があると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
また、障がい者計画等の中で、それについてどのように位置付けているか伺います。
 地域は、言うまでもなく障がいがある人と家族や支援者だけではつくることが出来ません。障がいがない人や日頃関わる機会が少ない人にどう働きかけるのか。
そこで伺います。
Q.インクルーシブな社会へ、障がいがない人にとっても当たり前に接する環境作りが必要と考えますが、区の方針を伺います。
以上で、この項の質問を終わります。
2.土木の観点から見る防災と流域防災
 次に、土木の観点から見る防災と流域防災について質問します。
 昨年の台風19号では、荒川や新河岸川などで水位が上昇して避難勧告が出され、これまでになく身近に水の危険を感じました。
 先日、防災に関する2つの勉強会に参加させて頂きました。
 一つは、土木技術者・松永昭吾さんを講師に招いたオンライン勉強会。
 もう一つは、荒川最上流の秩父・三峯神社で開かれた「森林を活かす荒川流域自治体議員連盟」勉強会です。
 言うまでもなく、河川氾濫や水害は自然災害です。
 都内では多い方とはいえ、自然を感じる機会が少ない都市部の板橋区での暮らしの中で日頃意識しない、地形についての話や、荒川下流の板橋区での生活が、上流の森とつながっている、といった視点を得ることができ、新鮮で有意義でした。
 そこで、少し変わった角度で、防災について質問させて頂きます。
 はじめに、土木の観点から見る防災についてです。
 土木技術者である松永さんの講演は、歴史上、人間が平地に住み始めたのは過去150年程度、と比較的最近のこと、という壮大なスケールで始まります。
 元来、平地は水が来やすい場所であるため田んぼや畑でした。それが人口が増え、役所や駅など街の中心的な機能が出来ることで平地に人が移り住み、現在では日本全体で人口の約37%が水害の危険地域に住んでいるとも言われるそうです。
 岡山県倉敷市での水害など、近年の災害には平地への人口集中によって激甚化するものも多く、防災政策として行政が住む場所を限定するなども必要では、という内容でした。
 板橋区で区民が住む場所を行政が移動させることは非現実的ですが、板橋区内でもハザードマップでは、高島平や蓮根、新河岸など
高速5号線より荒川沿いの広い地域が浸水危険地域にあります。
 土地の歴史や地形に基づく土木の観点を防災に活かすという点は、板橋区でも有効ではないかと感じました。
 板橋区役所には土木技術の専門職員がいます。
そこで、伺います。
Q. 危機管理室に土木技術の職員は配置されているか。また配置方針はあるか、伺います。
 また、特に浸水想定区域内で日頃から何ができるか。
 蓮根や高島平、新河岸周辺では、子育て世代向けの大型分譲マンションが日々建設されています。
 台風19号以降、川沿いの大型分譲マンションに住む子育て世代の方に、防災に関する危機感についてお話を聞く機会も増えました。
 これから新しく住み始める住民も多い大型分譲マンションへ効果的な働きかけはできないでしょうか?
そこで伺います。
Q.浸水想定区域内にある分譲マンションについて、区が、防災意識を高める情報提供や訓練の支援などを行ってはどうかと考えますが、区長の見解を伺います。
 続けて、流域防災という視点で質問いたします。
 秩父で行われた「森林を活かす荒川流域自治体議員連盟」勉強会で林業や製材業に携わる方や林野庁職員の方にお話を伺いました。
 日頃意識することはあまりありませんが、
荒川下流の板橋区を、近年高まっている水害の危険から守るためには、上流の森を守ることが必要です。
 近年は材料としての木の供給が需要を上回っている状況で、森を守るには、国産材を積極的に使い、森を循環させることが必要だそうです。
 また都市との草の根の交流が重要だとの話題も上がりました。
 勉強会に参加した頃、私はちょうど区内の子育て家庭のご相談に対応している最中で、
子育てで煮詰まる息苦しさを身近に感じていた中で、秩父の森はとてもすがすがしく、心地よく感じました。
 都市と山間部。流域自治体での交流の中に、区内の課題を解決するヒントもあるかもしれません。
 また、荒川については国が管轄ですが、防災の面で国との連携はどのようになっているでしょうか。
そこで、伺います。
Q. 荒川流域の防災については、国と流域自治体が一体となった
取り組みや、流域という視点を持った自治体間連携が必要であると考えますが、区長の見解を伺います。
 森林保全に使う財源として、R元年から全国で森林環境譲与税がスタートし、板橋区でも初年度2000万円強、R2年度は倍の4000万円強が国から公布されています。
 豊島区は、その森林環境譲与税を使って姉妹都市である秩父市の市有林の一部を「としまの森」として借りて整備し、環境教育などに活用しています。
そこで伺います。
Q.板橋区における森林環境譲与税の使徒の現状と方針はどのようになっているでしょうか?
 森林環境譲与税は、学校施設の木質化などハード面の財源として使うには小さな金額で、都市部の約50%程度は基金に積み立てている現状ですが、森林のためにきちんと使っていくことが制度を維持することにもなるそうです。
 森林環境譲与税を流域防災の観点で使うのはどうでしょうか。
 河川氾濫や水害への防災意識が高まった今、森林を守ることが板橋区での生活を守ることになる、という点は区民にとっても目的も感じ取りやすいと考えます。
 また、今後新型コロナの影響で区財政が厳しい局面を迎える中、森林保全のために使う、と紐付けされた森林環境譲与税を
効果的に使う一手になるのではないでしょうか?
そこで伺います。
Q.流域防災の観点で、森を守ることに森林環境譲与税を活用してはどうでしょうか。区の見解を伺います。
以上で私の一般質問を終わります。
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